イオン交換樹脂法
目的
イオン交換樹脂法の原理を理解する。
強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、試料(塩化ナトリウム)の濃度を電位差滴定法により求める。
pHメーターを用いた電位差滴定を行い、滴定曲線から当量点の値を得る。
原理
イオン交換樹脂法は、溶液中に共存する陽イオンや陰イオンを分離するための有力な手段で、固定相にイオン交換樹脂を用いる液体クロマトグラフ法の一種である。イオン交換樹脂は、交換されるイオンの種類および交換基(官能基)の酸・塩基としての強さにより、主なものとして次のようなものがある。
・強酸性陽イオン交換樹脂(交換基:-SO₃⁻-)
・弱酸性陽イオン交換樹脂(交換基:-COOH)
・強塩基性陰イオン交換樹脂(交換基:-NR₃⁺)
・弱塩基性陰イオン交換樹脂(交換基:☰(←三重結合)N、=NH、‐NH₂)
この実習では、強酸性陽イオン交換樹脂を用い、塩化ナトリウムを試料としてその濃度を電位差滴定法により求める。すなわち、クロマト管に強酸性陽イオン交換樹脂を入れて樹脂柱(カラム)をつくり、これに塩化ナトリウム溶液を通すと、樹脂と塩化ナトリウムとの間で当量の陽イオン交換が起こる。ここで生じたH⁺の濃度をpHメーターを用いた電位差滴定により求め、最初の塩化ナトリウム濃度を計算する。
《陽イオン交換樹脂による陽イオン交換の流れ》
はじめの樹脂の状態
(NaR型)
↓↓↓
樹脂の再生(HClを通す)を行い
イオン交換を行える形にする
↓↓↓
樹脂にNaClを通し、陽イオン交換を行う
↓↓↓
HCl(カラムから出てくる)
このHCl(H⁺)の濃度を求めることにより、樹脂に通したNaClの濃度を決定する。
使用した機械・器具、試薬 (次ページへも続く)
器具・試薬名 規格 数量 pHメーター 東亜DKK社製、IM-22P型 1 マグネチックスタラー アイラ社製、RC-2型 1 ビュレット 25ml 1 ビュレットスタンド 1 ビュレットバサミ 1 クロマト管 15×300mm、№2フィルター付 1 三角フラスコ 500ml 1 100ml 1 ビーカー 100ml 1 50ml 2 100mlビーカー イオン交換樹脂入り 1 メスシリンダー 100ml 1 メスフラスコ 100ml 1 ホールピペット 10ml 2 試薬瓶 白、細口、500ml 1 白、細口、100ml 1 回転子 1 駒込ピペット 5ml 1 ゴムキャップ 5ml用 1 器具・試薬名 規格 数量 試験管 12×120mm 5 試験管立て ビニール被覆、24本立 1 噴射瓶 ポリエチレン製、500ml用 1 温度計 アルコール、100℃ 1 フェルトペン 油性、細書き用 1 ロート 6cm 1 ワセリン 1 MO指示薬 1
操作法
1.試薬の調製
①0.01mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製
水酸化ナトリウム0.2gを上皿はかりで量りとり(※)、三角フラスコに入れ、蒸
留水で溶かして500mlにした。溶か
イオン交換樹脂法
目的
イオン交換樹脂法の原理を理解する。
強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、試料(塩化ナトリウム)の濃度を電位差滴定法により求める。
pHメーターを用いた電位差滴定を行い、滴定曲線から当量点の値を得る。
原理
イオン交換樹脂法は、溶液中に共存する陽イオンや陰イオンを分離するための有力な手段で、固定相にイオン交換樹脂を用いる液体クロマトグラフ法の一種である。イオン交換樹脂は、交換されるイオンの種類および交換基(官能基)の酸・塩基としての強さにより、主なものとして次のようなものがある。
・強酸性陽イオン交換樹脂(交換基:-SO₃⁻-)
・弱酸性陽イオン交換樹脂(交換基:-COOH)
・強塩基性陰イオン交換樹脂(交換基:-NR₃⁺)
・弱塩基性陰イオン交換樹脂(交換基:☰(←三重結合)N、=NH、‐NH₂)
この実習では、強酸性陽イオン交換樹脂を用い、塩化ナトリウムを試料としてその濃度を電位差滴定法により求める。すなわち、クロマト管に強酸性陽イオン交換樹脂を入れて樹脂柱(カラム)をつくり、これに塩化ナトリウム溶液を通すと、樹脂と塩化ナトリウムとの間で当量...