「相談援助にかかる専門職の概念と範囲について述べよ。」
1.はじめに
相談援助とは何かと問われたとき簡易に答えを出すことは困難である。福祉系の職に就かない限り、相談援助は専門職なのか、それ自体が何のことであることはわからないだろう。そのような実態の原因には、これまで相談援助という職があまり仕事の例として取り上げられることが少なく、自分から学ばない限り内部を見ることができないからである。福祉の職を目指している私でも相談援助がどのような仕事であって、如何なる資格の下で成り立っているのかはわからない。以下、相談援助にかかる専門職の概念と範囲について、専門職の成立条件、生活支援の専門職としてのソーシャルワーカーの役割、社会福祉行政における専門職について触れながら論じる。
2.専門職の成立条件
専門職とは、現代の日本においては、国家資格を必要とする職業を指すことが多いが、近年では高度な専門知識が必要となる仕事については、国家資格を不要とする仕事でも専門職と呼称することも多い。また、1915年にエブラハム・フレックスナーによって専門職の成立条件が報告された。このフレックスナー講演では、専...