工学基礎化学実験 無機定性分析 無機塩の分析
実験目的 金属陽イオンの分析、無機陰イオンの分析をもとに、無機塩未知試料溶液中に含まれる金属陽イオンと無機陰イオンを決定し、それぞれの未知試料溶液中に含まれる2種類の無機塩の化学式を推定する。ただし、含まれる可能性のある金属陽イオンはAg+,Al3+,Ba2+、無機陰イオンはCl-,PO43-,SO42-である。
実験操作
金属陽イオンの分析 前々回に行った各金属陽イオンの分析の操作は、無機陰イオンとしてNO3-だけが存在するという条件で、Ag+,Al3+,Ba2+,Pb2+の混合試料からそれぞれの金属陽イオンを検出するための操作である。今回の無機塩の分析の操作は、無機陰イオンとしてCl-,PO43-,SO42-が存在し得るという条件で、Ag+,Al3+,Ba2+の混合試料からそれぞれの金属陽イオンが検出できる操作でなければならない。そのためには、前々回の実験で行った各金属陽イオンの分析の操作をどのように変更したらよいかを考えて、各金属陽イオンの分析を行う。
無機陰イオンの分析
前回の実験で行った各無機陰イオンの分析の操作は、金属陽イオンとしてNa+だけが存在するという条件で、Cl-,CO32-,PO43-,SO42-の混合試料からそれぞれの無機陰イオンを検出するための操作である。今回の無機塩の操作は、金属陽イオンとしてAg+,Al3+,Ba2+が存在し得るという条件で、Cl-,PO43-,SO42-の混合試料からそれぞれの金属陽イオンが検出できる操作でなければならない。そのためには、前回の実験で行った各無機陰イオンの分析の操作をどのように変更したらよいかを考えて、各無機陰イオンの分析を行う。
無機塩の特定 検出された金属陽イオンと無機陰イオンから、JIS(日本工業規格)で規定された試薬の中から未知試料溶液を調製するために使用した無機塩を特定する。
考察
「Ⅰ.金属陽イオンの分析」の操作で用いたAg+,Al3+,Ba2+ それぞれの検出方法の要点と分析結果を示す。
(ⅰ)Ag+の分析
分析方法 試験管にイオン交換水約1cm3と1M塩化ナトリウムを1滴とり、よく振り混ぜる。その後、未知試料溶液を1滴試験管に加えよく振り混ぜる。白色の沈殿が生成すればAg+を検出。
結果 沈殿は生成しなかった。従って、未知試料溶液中にAg+は存在しない。
(ⅱ)Ba2+の分析
分析方法 今回の未知試料溶液の中にPb 2+は存在しないので、Ag+,Al3+,Ba2+のなかでSO42-と反応して沈殿を生じるのはBa2+のみである。
試験管にイオン交換水約1cm3と1M硫酸ナトリウムを1滴とり、よく振り混ぜる。その後、未知試料溶液を1滴試験管に加えよく振り混ぜる。白色の沈殿が生じたら、Ba2+を検出。
結果 沈殿は生成しなかった。従って、未知試料溶液中にBa2+は存在しない。
(ⅲ)Al3+の分析
分析方法 Ag+,Al3+,Ba2+のなかでOH-と反応して沈殿を生じるのはAg+,Al3+であるが、Ag+は過剰のアンモニア水に錯イオンとなって溶ける。((ⅰ)でAg+は存在しないと確認済み)。 試験管にイオン交換水約1cm3と未知試料溶液を1滴とり、よく振り混ぜる。その後、アンモニア緩衝液を試験管に過剰に加えよく振り混ぜる。ゼラチン状の沈殿を生じたら、Al3+を検出。
② 結果 沈殿が生成した。従って、未知試料溶液中にAl3+が存在する。
「Ⅱ.無機陰イオンの分析」の操作で用いたCl-,PO43-
工学基礎化学実験 無機定性分析 無機塩の分析
実験目的 金属陽イオンの分析、無機陰イオンの分析をもとに、無機塩未知試料溶液中に含まれる金属陽イオンと無機陰イオンを決定し、それぞれの未知試料溶液中に含まれる2種類の無機塩の化学式を推定する。ただし、含まれる可能性のある金属陽イオンはAg+,Al3+,Ba2+、無機陰イオンはCl-,PO43-,SO42-である。
実験操作
金属陽イオンの分析 前々回に行った各金属陽イオンの分析の操作は、無機陰イオンとしてNO3-だけが存在するという条件で、Ag+,Al3+,Ba2+,Pb2+の混合試料からそれぞれの金属陽イオンを検出するための操作である。今回の無機塩の分析の操作は、無機陰イオンとしてCl-,PO43-,SO42-が存在し得るという条件で、Ag+,Al3+,Ba2+の混合試料からそれぞれの金属陽イオンが検出できる操作でなければならない。そのためには、前々回の実験で行った各金属陽イオンの分析の操作をどのように変更したらよいかを考えて、各金属陽イオンの分析を行う。
無機陰イオンの分析
前回の実験で行った各無機陰イオンの分析の操...