「設題の趣旨に合致してよいレポートです。」との所見をいただきました。
テキスト 「道徳教育の基礎」 佛教大学通信教育部
「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
今日の変化の激しい社会においては、「生きる力」の育成が不可欠であり、第15期中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」以来、それは、今日の教育目的になった感がある。2002年から実施された新学習指導要領についても、中央教育審議会は答申において、基本的なねらいは「生きる力」の育成であり、家庭、地域社会との連携の下、「生きる力」を「知の側面から」とらえた「確かな学力」育成のための取り組みを充実するように求めている。「生きる力」とは、社会の変化に的確かつ迅速に対応し、いかなる場面でも他人と協調しつつ自律的に社会生活を送れるようになるために必要な、「全人的な力」「人間としての実践的な力」「生きていくための知恵」であり、よりよく問題を解決する能力「確かな学力」、他人を思いやる心や感動する心「豊かな人間性」、たくましく生きるための「健康・体力」から成るものである。この「生きる力」を構成する三つの能力の関係は、人間存在の構造的把握と連関して考えることで、把握することができる。
人間が「生きる」ということは、生物学的「生命」...