「学校教育職を目指すために、どのような資質が求められているのかについて、詳細な考察が正確になされています。とりわけ、教師の資質に言及した中教審や教育職員養成審議会の答申についても詳しく記されており、設題の趣旨が正確に把握され、大変よくまとまっています。」との所見をいただきました。
テキスト 「教職論:教員を志すすべての人へ(第2版)」 ミネルヴァ書房
中央教育審議会の答申によると、これからの学校教育に求められる教員の資質・能力は次のようになる。
幼児・児童・生徒に直接接し指導に当たる教員は、幼児・児童・生徒の人格形成にも大きな影響を及ぼすものであるので、優れた人材を確保することが重要である。また、現代社会は、子どもたちに『生きる力』をはぐくむことを学校教育に対して要請しており、その実現のためには、教員の資質・能力の向上が求められる。そこで、教員養成や研修を通じて、教科指導や生徒指導、学級経営などの実践的指導力を育成することが必要である。多様な研修機会を体系的に整備して、『生きる力』の育成を重視した学校教育を担う教員を育てていくことが必要なのである。特に、今日のいじめ問題などを考えるにあたっては、基礎的なカウンセリング能力を身に付けられるような研修を行い、教員一人一人が子どもの心を理解し、その悩みを受け止めようとする態度を身に付けることが重要である。
中央教育審議会の答申を受けて発表された教育職員養成審議会の答申によると、教員に求められる資質・能力は、「専門的職業である教職に対する愛着、誇り、一体感に支えられた知識、技能等の総体」とい...