「βアドレナリン受容体変異と肥満症」について

閲覧数2,580
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「β3アドレナリン受容体変異と肥満症」について
     ヒトを含む哺乳類の脂肪組織には、中性脂肪の形でエネルギーを貯蔵する白色脂肪組織と熱産生臓器である褐色脂肪組織が存在する。これら脂肪組織にはβ3アドレナリン受容体(β3-AR)が存在しており、脂肪分解と熱産生に重要な役割を果たしている。このβ3-AR遺伝子の変異は、肥満・インスリン抵抗性・熱産生機構の異常と関連していること、さらに最近では糖尿病早期発症、糖尿病性腎症や網膜症の進展との関連性も報告され、注目を集めている。
     褐色脂肪組織はそのミトコンドリア内膜に脱共役蛋白質(UCP-1)が存在しているために熱産生を行えるのだが、この褐色脂肪組織は交感神経系の支配のもと、慣例より収容臓器を守るほか、食べ過ぎた余分なエネルギーを対外に熱として放散するラジエーターの役割を担っている。β交感神経系受容体には従来よりβ1とβ2のアドレナリン受容体が知られていたが、1984年にはβ1とβ2作用が少なく、選択的に褐色脂肪組織を活性化させ白色脂肪組織の分解を促進させるβ3-ARアゴニストが発見され、その構造が解明された。
     β3-ARアゴニストは、「肥満動...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。