法学2(日本国憲法を含む) 1
1 憲法には、2つの意義がある。1つは実質的意義の憲法であり、2つは形式的意義の憲法である。実質的意義の憲法には、国家統治の基本体制または根本的な秩序を定める法規範を指す。実質的意義の憲法については、国家が存在する以上、必ず必要とされる。それは、原始国家であろうが、現在の近代国家であろうが、権力的秩序を持って国家を統治している以上、必ず実質的意義の憲法は存在するのである。それに対して、形式的意義の憲法は、いわば成文化されている憲法のことである。憲法には法形式による分類として、2つのかたちに分かれる。1つは、不文憲法。そして、もう1つが成文憲法である。憲法は、古代や中世においては、不文法の形式で存在したが、近代以降、憲法の法形式として、成文法がとられるようになり、現在ではイギリスを除くほとんどすべての国家では成文法式を取っている。
既述したように近代国家として、憲法に共通する原則として、成文法を挙げた。それでは近代憲法の原則として、どのような一般の共通原則が存在するであろうか。その前に、近代憲法の生まれた背景について触れていく。近代憲法とは、18世紀か...