子どもの愛着形成について説明しなさい。
明星大学通信教育 2013・2014年度 児童心理学【PB2090】1単位目
子どもの愛着形成について説明しなさい。
母親などによる養育者が愛情深く子どもを育てるということは、単なる感傷の問題ではなく、乳児の発達にとってきわめて重要な意味をもつ。それは、子どもの欲求の充足、愛着の形成、知覚・認識機能、衝動、社会的行動などの発達において重要な役割を果たしている。よって、乳児の発達にとって母子関係が重要な意味をもつ。では、乳児と母親の結びつきはどのように形成されるのであろうか。
半年を過ぎた乳児は養育者に対して特別な行動を示すようになる。養育者に対する後追いや養育者以外の人への人見知り(愛着行動)など、これらは乳児と養育者との間に心理的絆が形成されたことを示す。この特定の人と人の情愛的な絆を“愛着”という。従来、愛着は、乳児の生理的欲求を母親が満たすことで形成されるとされていた。母親は、毎日空腹や渇きあるいはおむつの不快などを解消し生理的欲求を充足する。こうした日々の経験から、乳児母親を識別し、母親が不快を解消し快をもたすことを学習する。そして、乳児は、母親に強い依存要求をもつように...