高評価を得た合格レポートです。参考にしていただければ幸いです。
教育思想家の考え方に言及しつつ、自分自身のこれまでの教育的体験を踏まえて自分の視点で教育観を述べよ。
私は「教育」とは、人間として生きていくために必要な知識、力、分別などを身につけさせると共に、人間特有の思考である「なぜ?」と思う力を育てていくことであると考える。
人間は他の生物と比較すると、自身で生きる力を持たず未熟な状態で生まれ、極めてゆっくりと発育する。つまり人間は生きるための様々な能力を生後に獲得していく存在であり、それは子ども期においては大人たちによる「教育」によって獲得していくものであると考える。カントの、「人間は教育によってはじめて人間となることができる」という考えや、ルソーの「エミール」の中で、「わたしたちは弱い者として生まれる。わたしたちには力が必要だ。わたしたちは分別をもたずに生まれる。わたしたちには判断力が必要だ。生まれたときに私たちがもっていなかったもので、大人になって必要となるものは、全て教育によってあたえられる。」という考えは共感できるものである。また、かつて狼に育てられた人間の子供カマラが狼の習性から抜け出せず人間社会に適応できなかった事実からも、人間...