なぜSCMが必要になのか

閲覧数1,982
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員880円 | 非会員1,056円

    資料紹介

    SCMの出現は1980年代からであるが、1980年代のSCMに関する多くの論文では、ロジスティクスの概念と大きな差異は見られなかったと言われる。このSCMの概念とロジスティクスの概念は異なる概念として論じられるようになってきたのは、およそ1990年代である。IT革命による情報通信技術の発展、市場の不確実性の増大、グローバル化の飛躍的な進展などの影響があり、SCMが多企業間における情報共有や企業間統合などの視点で論じられるようになったことからである。そこで、SCMの重要性を議論する前に、まずSCMとロジスティクスの違いについて見ておく必要があると考える。
     菊池氏は、多くのSCMの文献から、SCMとロジスティクスの違いについて、代表的な学者や専門機関の考えを紹介している。それは以下の通りである。
     CSCMP の新しいロジスティクスの定義(2003)は、顧客の必要要件に対応するため、産出地点から消費地点までのモノ、サービスとそれに関連する情報の効率的、効果的な前方と後方への流れと保管を計画し実行しそして統制するSCMの一部である。
     また、Bowersoxらは、ロジスティクスは、SCMと同義語でないこと、ロジスティクスは、SCの本質的な部分を占めていること、SCMは、ロジスティクスより広い戦略であると述べている 。
     Rossは、ロジスティクスの役割は、倉庫、保管及び輸送からSC全体のロジスティクス業務を統合することに及ぶが、SCMは、マーケティングや生産を流通機能に融和させて、企業に競争優位性の新しいソースを提供するものであると考えている 。
     GiuniperoとBrandは、ロジスティクスは、顧客要求事項をかなえるための効率的な動きや保管により大きな重点を置く。しかしながら、SCによる競争優位性と収益性の改善に一役買う顧客価値及び顧客満足は、ロジスティクス以上のことを必要とすると述べている 。
     Cooper、LambertとPaghは、SCMは、ロジスティクスより包括的なモノでロジスティクスプロセスを含む複数のビジネスプロセスの管理を意味するものと捉えている 。
     一方、Christopherは、SCMの概念は、比較的に新しいものではあるが、ロジスティクス理論の延長上にあることを認識するべきであると考えている。ロジスティクスマネジメントは、主に企業内フローの最適化に関係しているが、SCMは企業内部の統合だけでは不十分ではあると述べている 。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    なぜSCMが必要なのか

    SCMとロジスティクスの違い

    SCMの出現は1980年代からであるが、1980年代のSCMに関する多くの論文では、ロジスティクスの概念と大きな差異は見られなかったと言われる。このSCMの概念とロジスティクスの概念は異なる概念として論じられるようになってきたのは、およそ1990年代である。IT革命による情報通信技術の発展、市場の不確実性の増大、グローバル化の飛躍的な進展などの影響があり、SCMが多企業間における情報共有や企業間統合などの視点で論じられるようになったことからである。そこで、SCMの重要性を議論する前に、まずSCMとロジスティクスの違いについて見ておく必要があると考える。

    菊池氏は、多くのSCMの文献から、SCMとロジスティクスの違いについて、代表的な学者や専門機関の考えを紹介している。それは以下の通りである。

    CSCMPの新しいロジスティクスの定義(2003)は、顧客の必要要件に対応するため、産出地点から消費地点までのモノ、サービスとそれに関連する情報の効率的、効果的な前方と後方への流れと保管を計画し実行しそして統制するSCMの一部である。
    ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。