社会福祉言論
序章
第1節
現実の社会の中で、社会福祉が直面している状況にどう向き合い、必要としている人たちの人権と発達を守るために何をすべきか、理論的に考えること。
その時、社会福祉を生み出し、発展させる社会(資本主義)とは何かを考えることが重要である。これは資本主義が社会福祉を生み出したのではなく、資本主義の発展に伴い、その矛盾の中で起こった民衆運動と民主主義が生みの親である。その意味で、「資本主義と社会福祉」が共通テーマとなる。
第2節
社会福祉を支えるのは人間尊重の精神であり、個人の尊厳を重視する精神である。しかし、これが保障されていない人々がいる。これを保障せず踏みにじろうとしているのは暴力と戦争である。暴力と戦争を繰り返す人々は為政者に強く抗議し、暴力と戦争を認めない潮流を大きくする責任がある。これはアジアに生きる私たちが日本にあって自覚的に果たさなければならない戦後責任でもある。これはアジアの中で日本が信頼される国になる為に必要なことでもある。
共生するために社会的努力を行うことは社会福祉の基本理念である。その為には多様性や違いを認め、個人を尊重し合う必要...