[題目] 仮現運動
[目的] 仮現運動の最適時相の検討
平野忠(1994)によれば、対象の客観的な運動が存在しないにも関わらず、運動が知覚さ、この見栄の運動を広い意味で加減運動と呼び、この現象は二つの光点(あるいは図形) を少し離れた場所に、適当な時間間隔をおいて継時的に提示すると、あたかも一つの対象が二つの刺激提示位置の間をなめらかに運動するように見えるというものである。このような運動はβ運動と呼ばれている。
また、Vraddick(1974)によれば、あるランダム・ドット・パターンを第一刺激とし、このパターンの中で個々のドットを水平方向に一定距離移動したものを第二刺激として提示した場合、移動距離が5-20分を境界として、異なるタイプの運動が見られ、移動距離が短い場合にはドットは全体として水平方向に移動するように見える(coherent motion)が、距離が5分以上になるとcoherent motionは見られなくなり、第一、第二刺激間で距離が最小のドット同士の間で運動が生じ、全体としては個々のドットのばらばらな運動が生じる。(平野忠,1994)
A.Korteによる先行研...