慢性の経過をたどる患者の看護
【ふえる慢性疾患】
治療技術の進歩、生活環境の改善、公衆衛生対策の充実等、さまざまな条件が積み重ねられた結果、急性疾患や感染症による死亡は減少してきた。一方、高齢化が進み慢性病が増加してきている。
死亡順位を見ると上位3位は、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患が占め、その後8,9,10位に腎不全、肝疾患、慢性閉塞性肺疾患が続き、いわゆる「生活習慣病」による死亡が多いことがよくわかる。
疾患別受療率においては、高血圧性疾患・脳血管疾患・心疾患・悪性新生物・糖尿病・肝疾患・精神障害の増加が著しい。
生活習慣病は、若年時からの食生活、運動、喫煙などの生活習慣のゆがみによることが多く、しかも多くは逆戻りし得ない不可逆的な病理的変化をもつものであり、慢性的な経過をたどるものである。
【慢性疾患患者への看護】
慢性疾患患者は、全身的な健康問題をかかえており、全身的なアセスメント、統合された人間としての見方が必要である。
◆慢性期・慢性疾患とは
●慢性期とは
「症状が激しくなく、経過の長引くような病気の性質」、「状態がよくもわるくもならず長引く...