~CTとMRIについて~
CTについて:頭部におけるCTの意義と適応
CTとは、computerized tomographyのことでコンピュータ連動断層撮影という意味をもつ(tomography:断層撮影法)。人間のすべての精神活動の唯一の中枢である脳は、頭蓋骨により囲まれた閉鎖腔内にある。CTはこの脳をはじめとする頭蓋内諸構造を、非侵襲的に、良好な密度および空間分解能で断層像として観察し得る最初の検査である。特に、CT以前にはいかなる検査でも認め得なかった、白質、浮腫、血腫、脳挫傷などを画像化し得ることの意義は大きいといえる。また、頭部を断層像の積み重ねとしてとらえるため、病変の三次元的な把握を容易とした。このため、頭部CTの適応は時とともに拡大し、頭蓋内器質的疾患すべてに対し、第一選択の検査となった。
近年、MRIの発達とともに、従来CTの適応とされていた疾患の多くが、MRIで置換されるようになり、これに伴い近い将来、両者の適応の再調整が必至であるとされるが、CTは、良好な時間および空間分解能に加え、動脈瘤クリップなど体内に金属を有する例や、ペースメーカー装着者などのMRI禁...