変形性膝関節症
Ⅰ,概念
変形性膝関節症は日常多く見られる関節障害の一つで,慢性の経過を辿りながら進行する.病態は関節軟骨の退行変性と,骨関節軟骨の増殖性変化が主体の非炎症性の疾患である.荷重部の関節軟骨は亀裂を生じ,摩耗剥離してその直下の骨質は硬化し,ついには,関節軟骨は消失して骨が関節面に露出する.
Ⅱ,病因
変形性膝関節症は一次性と二次性に分けられる.一次性とは軟骨細胞の代謝活性が遅れ軟骨基質の更新が遅れる加齢的変化プラス過重量や小外傷が加わって,軟骨の変性が起こる事をいう.原因としては,第1に肥満,第2に筋力低下が挙げられ,この2つは相乗して病因となることが多い.第3の原因として日本人の内反傾向が挙げられる.この3つの因子が加齢的変化にプラスされる要素である.
二次性とは何らかの関節疾患のため関節面が不整であったり,適合性が不良な場合にも発生する.原因として挙げられる関節疾患は,感染症(骨髄炎・化膿性膝関節炎・結核性関節炎など)膝内障(半月板損傷・靭帯損傷・関節内遊離体・離断性骨軟骨炎・骨壊死・膝外軟骨軟化症)骨折(関節内・外)変形(O脚・X脚・反張膝など)膝手術の侵襲な...