脳梗塞
【基礎知識】
Ⅰ脳梗塞について
①臨床症候
脳梗塞の原因は、主に脳血栓症と脳塞栓症である。両者の簡単な臨床症候における鑑別点を図に
表わす。
内頸動脈系の閉塞では、症候は一側性で片マヒ、半身感覚障害、ときに失語、失行、失認、同名半盲
を伴う。
椎骨脳底動脈系の閉塞では、症候は1側性ないし両側性で、運動麻痺、感覚障害、小脳症候、脳神経
症候その他が段階的に(脳血栓症)または突発的に(脳塞栓症)出現する。
脳血管障害 代表的疾患 内頸動脈系
内頸動脈 ・無症候より重篤例までさまざま。
・一般に臨床症候は中大脳動脈閉塞に似る
・内頸動脈の塞栓症は重篤例が多い 前大脳動脈 ・片麻痺(上肢<下肢)
・把握反射
・記憶障害、精神障害 中大脳動脈 ・片麻痺(上肢≧下肢)
・半身の感覚障害
・同名半盲
・左半球病変で失語 椎骨脳底動脈系 後大脳動脈 ・片麻痺はないか軽度
・同名半盲
・視床症候群、記銘力障害 脳底動脈
およびその分岐 昏睡
四肢麻痺
四肢感覚障害
Locked‐in症候群
球麻痺、縮瞳、複視
小脳失調
回転性めまい、斜偏視
その他 椎骨動脈
およびその分岐 Wallenberg...