変形性膝関節症
Ⅰ.評価 臨床像の評価としては,日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準(表1)
1.疼痛検査
(1)疼痛の部位
関節裂隙や筋・腱付着部の圧痛を細かく検査.VASを用いる.
靭帯性の疼痛,半月板由来の疼痛の検査のためには,各種整形外科的検査を行う(後述).
(2)安静時痛か運動時痛か
①強い安静時痛があり,関節水腫が認められる場合
化膿性膝関節炎,内側半月板後角断裂,突発性骨壊死が生じている可能性がある.
②強い安静時痛がある場合
全身の筋緊張が亢進し,局所的にはハムストリングスや下腿三頭筋が過緊張を起こしている.
→背臥位にて膝窩部に枕を置き,膝関節軽度屈曲位にすることで関節内圧が低下して疼痛が軽減.(夜間痛への対応)
③屈曲運動時痛がある場合
→脛骨を内旋位,中間位,外旋位にして屈曲させ,疼痛の軽減する肢位で屈曲自動運動を繰り返し,膝窩筋や内側ハムストリングスによる脛骨内旋を誘導するように筋再教育を行う.
④伸展運動時痛があり,最終域でロッキングする場合:screw home movementが障害.
→伸展自動運動,アライメントの調節,腸...