近畿大学(通信教育部)社会福祉援助技術 合格レポート

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    資料紹介

    課題・・・ケースワークの展開家庭について述べてください。評価・・・合格
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    資料の原本内容

    ケースワークはソーシャルワークにおける最も基本的な援助技術である。それは社会生活上の諸問題に直面して困難な状況に陥っている個人または家族に対して、その困難な状況から脱出できるよう「個別的に援助していく過程」である。この援助には、困難な状況のために心理的に不安定な状態になっている人を援助するという心理的側面と、社会資源を活用し、環境条件の調整を行ない、具体的なサービスを提供するという社会的側面から、ソーシャル・ケースワークと呼ばれ、カウンセリング等の心理療法との相違点でもある。

    ケースワークは要援助者と援助者との対人関係を軸に展開されて、その「過程」は、援助活動の時間の流れに沿った「一定の手順と方法」で提供される。診断派はケースワーク過程を「インテークスタディ→社会的診断→社会的処遇」という枠組みで考え、機能派は「初期の局面、中期の局面、終結の局面」という時間的経過にしたがって区分する。また折衷派で知られるパールマンは、ケースワークを問題解決の過程としてとらえ、「開始期→診断期→問題解決」と考えた。「過程」とは、援助が開始されてから終結までの時間的な段階が重視されており、要援助者が問題の解決過程における主役である。

    ケースワークは、クライエント(要援助者)、ソーシャルワーカー(援助者)、援助目的、援助関係、社会資源から構成される。効果的な援助のためには、クライエントとソーシャルワーカーの援助関係に良好なコミュニケーションと、互いの信頼関係が不可欠であり、援助目的を達成するためには、社会的に存在し、また利用することのできる物的・人的な要素が必要である。

    社会資源とは、社会制度・機関・組織・施設・金銭はもとより個人・技能・知識・専門職やボランティアなど、社会的に存在する一切の物的・人的な要素である。

    ケースワークの理論化を進めたバイステックは、クライエントの持っている7つの基本的な欲求を上げ、そのおのおのに対応するケースワークの原則を述べている。これは、専門職(ケースワーカー)として必要となる原理・原則であり、個別化、意図的な感情表現、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、クライエントの自己決定、秘密保持の原則であり、大半が面接を手段として展開される。ワーカーが原則に基づき、クライエントを個人として尊重し、クライエントが自立するよう様々な社会資源を活用して援助する過程がケースワークである。

    ケースワークの特質として、 対象者が自ら自分の問題や困難な状況を解決できるように対象者の能力と社会資源を活用できるよう、個別的に援助し、対象者が社会環境の中でよりよい適応をはかり、対象者が主体的に生活できるように、さらにはパーソナリティーの豊かな成長を目指す。また、専門的な対人関係である対象者とワーカー関係を基盤としてすすめられる。

     展開にあたり、ワーカーは、対象者に関する情報を守り、対象者の問題、個別性を認識・理解し、対象者一人ひとりの特性を認め、個別的な援助をなし、対象者が自分自身の感情を、とくに憎しみとか敵意などの否定的感情を何ら批判を加えないで、自由に表現させ、対象者の感情を敏感に受け止め、適切な応答を行う。ワーカーは自分の個人的な感情をケースワーク関係にもちこまないようにし、対象者が問題を発現させるに至った時は、感情を理解し、情緒的レベルで受け止め、個人的価値観や善悪の判断で対象者を評価、批判せず、対象者が自分の意志と力で自分のすることを選択し、決定できるように援助することが必要である。これらの内容に注目し、ケースワークの展開を行うことが必要である。
    参考資料 

     「新社会福祉援助の共通基盤第2版」 日本社会福祉会編(中央法規)

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