少数株主の経営参画の利益の侵害

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    資料紹介

    1 事実の概要および判旨
    A会社は、累積赤字を出したため、設立後約3年で、他の会社への営業譲渡と解散を株主総会で決議したところ、これに反対する少数株主Xが、決議に賛成した会社の大株主Y1と代表取締役Y2に対し、事業の立ち上げ段階におけるXの経営参画の利益を侵害したとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事件である。
    これに対し判例は、Xの主張する経営参画の利益が少数株主権以上の利益を指すものではないとし、したがって、決議手続が適法である限り、原則として、不法行為は成立しないとしたが、例外的に、権利性が認められない株主の利益であっても、それに対する侵害の態様・程度が自由競争の原理を著しく逸脱して社会的許容性の限度を超えると評価されるときには違法性を具備し不法行為になることもありうるとし、本件事案が例外的場合にあたるかどうか具体的に検討したうえで、違法性はないとして不法行為の成立を否定したものである。
    この判例において注目すべきなのは、株主に、経営参画の利益、すなわち会社設立当初の事業立ち上げ段階において将来事業に対し株主として経営に参画できるという期待(必ずしも権利とはいえない利益)

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    鹿児島地判平成12年9月6日(判タ1104号231頁)を読んで、事実の概要、判旨をまとめよ。そして、判旨に賛成か反対か態度を明らかにしたうえで、その根拠について論述しなさい。
    1 事実の概要および判旨
    A会社は、累積赤字を出したため、設立後約3年で、他の会社への営業譲渡と解散を株主総会で決議したところ、これに反対する少数株主Xが、決議に賛成した会社の大株主Y1と代表取締役Y2に対し、事業の立ち上げ段階におけるXの経営参画の利益を侵害したとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事件である。
    これに対し判例は、Xの主張する経営参画の利益が少数株主権以上の利益を指すものではないとし、したがって、決議手続が適法である限り、原則として、不法行為は成立しないとしたが、例外的に、権利性が認められない株主の利益であっても、それに対する侵害の態様・程度が自由競争の原理を著しく逸脱して社会的許容性の限度を超えると評価されるときには違法性を具備し不法行為になることもありうるとし、本件事案が例外的場合にあたるかどうか具体的に検討したうえで、違法性はないとして不法行為の成立を否定したものである。
    この判例にお...

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