児童家庭福祉レポート 第一設題
・里親制度について論ぜよ。
里親制度は家庭での養育に欠ける子どもにあたたかい愛情と正しい理解をもった家庭を与えることにより,子どもの健全な育成を図ることを目的とする制度である。発達の観点からも,特定の大人との乳児期の愛着関係の形成が子どもの健全な成長のために重要であることが明らかにされ,里親制度は家庭的養護として今日の保護が必要な児童対策において重要な役割を担ってきた。
1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」の前文で「児童が,その人格の完全なかつ調和のとれた発達のため,家庭環境の下で,幸福,愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきである」とされ,保護者が必要な子どもは可能な限り家庭環境の中で養育されることが最も望ましいことが明文された。
1)里親制度の実際
多くの里子は親に依存すべき時に十分依存できず,愛着関係を築けなかった子どもたちである。里親のもとに来るまでに愛着障害を受けた子どもたちと親子関係を築いていく里親の子育ては,血縁の親子の数倍大変といわれている。里親夫婦が非血縁の里子を委託され親子関...