2014年
刑事政策
第1課題
犯罪統計と暗数の問題について論ぜよ。
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犯罪を対象とする統計的方法による分析を犯罪統計といい、私人ないし私的団体が作成する私
的犯罪統計と刑事司法機関が作成する官庁による犯罪統計(官庁統計)がある。わが国では官庁
統計が主となっており、これは刑事司法機関の活動において現れた犯罪現象に対する周期的な統
計的観察であり、その主要なものは、警察統計、検察統計、裁判統計、矯正統計、保護統計など
である。
この中でも、警察統計は、警察官の認知した犯罪及び犯罪者に関する統計であることから、犯
罪状勢の変化及び問題性を把握する上で重要であり、犯罪現象の変化と犯罪動向における刑事政
策上の問題点を把握する場合には、警察統計が最も有力な資料となる。また、警察統計上の犯罪
件数は、被害者の届出、第三者の届出、警察官現認、職務質問、聞込み、自首、告訴・告発など
の認知の端緒によって警察がその発生を知った犯罪の種類ないし事件数、すなわち警察による認
知数であるから、犯罪の実数を最も正確に反映しうる統計といえる。
認知件数により犯罪現象を把握しようとする場合には、犯罪...