自由意志説と因果的決定論

閲覧数3,597
ダウンロード数18
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    わたしはこの問いに対して、自由意志説は成立し因果的決定論は成立しないと考える。まずはじめに自由意志説と因果的決定論は両立不可能だということを以下の例を使って証明したいと思う。
    学校の授業がおわりすこし暇な時間のあるAは前からみたいと思っていた映画を見てからかえってもいいし、家に帰って借りてあるビデオを見てもいいと思った。しばらく思案したのち結局Aは映画をみないで家に帰ることにした。ここでAがこのように決定した時点をtと名づけるとする。このtの時点でAが映画を見て帰るとも選択できたとすればAは自由意志をもっていたといえる。
     しかしここで重要なのは、仮にAが「映画を見よう」と思ったとしても、そう思うまでに世界に生じた出来事が、家に帰ると決めるまでに世界に生じた出来事と全く一緒でなければ、Aに別の意志の可能性があったとは言えず、自由意志はないことになる。つまり、tまでに起こった出来事が全く一緒でも(「今日は映画半額DAYだ」などの仮定がなくとも)Aは「映画を見よう」と決意できなければいけない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    自由意志説と因果的決定論は成立するか
     わたしはこの問いに対して、自由意志説は成立し因果的決定論は成立しないと考える。まずはじめに自由意志説と因果的決定論は両立不可能だということを以下の例を使って証明したいと思う。
    学校の授業がおわりすこし暇な時間のあるAは前からみたいと思っていた映画を見てからかえってもいいし、家に帰って借りてあるビデオを見てもいいと思った。しばらく思案したのち結局Aは映画をみないで家に帰ることにした。ここでAがこのように決定した時点をtと名づけるとする。このtの時点でAが映画を見て帰るとも選択できたとすればAは自由意志をもっていたといえる。
     しかしここで重要なのは、仮にAが「映画を見よう」と思ったとしても、そう思うまでに世界に生じた出来事が、家に帰ると決めるまでに世界に生じた出来事と全く一緒でなければ、Aに別の意志の可能性があったとは言えず、自由意志はないことになる。つまり、tまでに起こった出来事が全く一緒でも(「今日は映画半額DAYだ」などの仮定がなくとも)Aは「映画を見よう」と決意できなければいけない。
    ところが、因果的決定論は「過去の出来事・状態と自然法則に...

    コメント1件

    snowboy 購入
    倫理学の授業の予習において役立ちました。
    2007/07/13 3:44 (17年4ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。