佛教大学通信課程の合格済みレポートです。あくまでも学習の参考としてお使いください。各科目B判定以上です。テキストを中心にまとめています。
タルコット・パーソンズの社会学の性格について述べよ。
タルコット・パーソンズは、ピューリタンの牧師兼大学教授を父にもつWASPの出身であった。パーソンズはロンドンやハイデルベルクに留学し、ヴェーバーやデュルケムの社会学をも取り入れて、ヨーロッパ社会学をアメリカにもたらした。彼の社会学の特徴は、いかにして異なる意思や利害をもった人々がひとつの社会を作りうるか、というアメリカ社会の謎を出発点にしており、その理論の特徴は理論体系的である。
パーソンズの社会学理論の中心となっているテーマは、人間の行為と社会秩序の関係である。人間はそれぞれ自由に行為しているが、人間は自分の欲望を満たすために、相手を騙したり、力で脅したりすることもありうるため、自由に行為しているだけでは社会の秩序は生まれない。つまり、社会にはそのような騙しや脅しが広まらないような仕組みが必要なのである。そこでパーソンズは社会に共有された価値(望ましさの観念)や規範(社会のルール)の存在を重視したのである。価値や規範とは、決して各人が自由な交渉を通じて決めていくものではなく、人間の心の中(内面)にあるものであり、各人は実際の...