異なる領域の電磁スペクトルの吸収によって、分子は異なる領域で励起する。例えば、赤外放射は、分子振動に伴うエネルギーに対応する。赤外分光器内におかれた試料が連続的に波長が変化する赤外放射にさらされると、入射光がある特定の分子振動のエネルギーに対応するとき、光りを吸収する。典型的な赤外分光器は分子の伸縮や変角の領域を掃引する。
放射の吸収を記録したものが赤外スペクトルである。最近の赤外装置は、エネルギーの吸収を、左から右に、減少する振動数(減少するエネルギー)の関数として記録する。波数とよばれる振動数に関連ある単位は、センチメートルの逆数(cm−1)の単位を持つ。左から右に進むと波長は増加し、通常ミクロメートル(μm)の省略型であるマイクロメータ(μm)であらわされる。なお、μm=10−6m=103nmである。
【赤外スペクトルの原理】
分子をつくる原子は、いろいろな仕方で振動するが、常に特定の量子化された準位にある。多原子分子の原子を柔軟なバネで結合している球で表すとすれば、3n-6通りの振動のモードがあることがわかる。ここでnは分子をつくる原子の数である。
有機分子の伸縮振動のエネルギーは、波数1200〜4000cm−1の赤外放射に対応する。赤外スペクトルのこの領域は、有機化合物中の官能基の検出に特に有用である。有機化学者にとって興味があるほとんどすべての官能基は、この波長の特性的でほとんど一定の吸収を示すので、この領域を官能基領域ということも多い。
赤外スペクトルの官能基領域に吸収ピークが存在することは、ほとんど常に、その試料化合物中にある特定の官能基が存在することを示す。同様に、官能基領域のある特定の部分にピークが存在しないときは、通常その領域に吸収を持つ特定の基がないことを示す。
赤外(IR)スペクトルについて
異なる領域の電磁スペクトルの吸収によって、分子は異なる領域で励起する。例えば、赤外放射は、分子振動に伴うエネルギーに対応する。赤外分光器内におかれた試料が連続的に波長が変化する赤外放射にさらされると、入射光がある特定の分子振動のエネルギーに対応するとき、光りを吸収する。典型的な赤外分光器は分子の伸縮や変角の領域を掃引する。
放射の吸収を記録したものが赤外スペクトルである。最近の赤外装置は、エネルギーの吸収を、左から右に、減少する振動数(減少するエネルギー)の関数として記録する。波数とよばれる振動数に関連ある単位は、センチメートルの逆数(cm-1)の単位を持つ。左から右に進むと波長は増加し、通常ミクロメートル(μm)の省略型であるマイクロメータ(μm)であらわされる。なお、μm=10-6m=103nmである。
【赤外スペクトルの原理】
分子をつくる原子は、いろいろな仕方で振動するが、常に特定の量子化された準位にある。多原子分子の原子を柔軟なバネで結合している球で表すとすれば、3n-6通りの振動のモードがあることがわかる。ここでnは分子をつくる原子の数...