「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて、学力の視点から述べてください。」
従来の日本の学歴社会とは、職業選択やさまざまな場面において、その人が内面的にもつ本来の能力や資質は考慮せず、学力や出身大学のみでその人間を評価されていた。しかし、現在、一流大学を卒業していても、リストラや倒産で職を失うという事態が頻繁におきており、学歴社会の崩壊が盛んに叫ばれている。本論では、この学歴社会の発生の経緯と、教育界においての役割と問題点を明らかにし、今後どのように変化していくのかを考察していく。
まず、学歴社会とは、「社会における社会的・職業的地位などの配分の基準として学歴が重きを占める社会」と一般的に定義されている。よく高学歴社会が、学歴社会と混同されるが、高学歴社会とは高校卒業後の高等教育機関への進学率が高い「高学歴者の多い社会」を意味している。日本は、アメリカ合衆国やカナダとならぶ数少ない高学歴社会のひとつである。現在は、先進国、発展途上国を問わず、教育の充実は各国家、社会の最重要課題のひとつにあげられているが、重要なことは、学歴社会が単に教育を...