日大通信 経済開発論Ⅰ

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文献:トダロとスミスの開発経済学(マイケルPトダロ/ステファンCスミス)P675-683 国際協力出版会 2004.4.15

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日本大学経済開発論

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1. 南北問題の発生

南北問題とは、北半球の温帯圏に経済的に発展した先進国が集中しているのに対して、南半球の熱帯圏やその周辺に経済が未発展な低開発国が存在し、その経済格差から生じる問題のことである。イギリス人のロイド銀行頭取オリバー・フランクスが提唱した「先進国と低開発地域との関係は南北問題として、東西対立とともに現代の世界が直面する二大問題である。」という考え方である。

途上国の多くは、かつて欧米諸国や日本の植民地であり、第二次大戦後に政治的に独立したものの、経済的には先進国に依存していた。つまり、宗主国の需要に合致する一次産品を輸出し、工業品を宗主国からの輸入に依存するという非自立的な貿易により経済を維持していた。第二次大戦後、途上国は、先進国よりも高い経済成長を遂げたが、人口増加率が高いことから、一人あたり所得の格差は拡大した。

このため、1960年以降、米国・欧州・日本が協力し、先進国全体として南側発展途上国の経済開発を支援する体制が拡大した。「国連開発の10年」計画の策定、アフリカ開発銀行やアジア開発銀行の設立の他、南北問題を解決するため、南側発展途上国の北側先進国に対...

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