★1945年10月11日、マッカーサーは、幣原首相と会談し、日本の民主化と非軍事化を進めるため、①選挙権賦与による婦人の解放、②労働組合の結成奨励、③学校教育の自由化、④秘密検察や圧政的政治機構等の廃止、⑤経済機構の民主化という五項目からなる五大改革とその2か月後に小作制度を見直す農地改革を指示した。これは軍国主義の基盤をなした社会構造と経済体制を根本的に改造し、その復活を阻止することを目指すものであった。
★①選挙権賦与による婦人の解放については、内務省主導で選挙制度の改正案が協議され、女子の参政及び選挙権取得年齢の引き上げが決定された。選挙法を改正して男女同権とし、選挙年齢を男女共満20歳とし、併せて中選挙区制を府県単位の大選挙区制限連記制とし、GHQは日本側の自主的改革を認めた。これは女性から圧倒的な支持を得た。実際に、選挙は1946年4月に行われ、女性議員39人が当選した。
★②労働組合の結成奨励について、GHQは、労働者の無権利状態を改善し、労働者がある程度団結して適正な賃金や労働時間等の労働条件改善を使用者に求めていく組織を設けることで民主化を図ると同時に、軍国主義化を防...