2013年度、明星大学 教育学部 通信課程において、科目終了試験に出題された問題の一覧、およびその回答例、ヒント集です。2013年4月~2013年10月の間に行われた科目終了試験において、全国(すべての試験会場)の試験問題が網羅されております。(問題数が膨大でないのは、出るパターンが決まっているからです。本資料以外の問題は2013年度は出題されておりません)
2013年度の試験問題は2012年度の試験問題と重複する部分が多かったため、2014年度以降の科目終了試験においても、2013年度の試験問題は役に立つかと思います。
全国の明星通信生の方のご協力により本資料を作る事ができました。ここでお礼を申し上げるとともに、これから試験を受ける皆様のお役にたてれば幸いです。
また、試験対策だけでなく、レポート作成の際にも、記載させていただいている回答例、ヒント集はお役に立つかと思います。レポート作成の前にダウンロードすると、レポート作成作業がはかどると思います。
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★★【2015年度最新情報】★★
※ 2015年度の科目終了試験でも本資料から出題されました!(2015年4月4日(土) 横浜会場)
本資料から傾向は変わっていないようです。安心してダウンロードください。
つい数時間前の最新情報でした。 (2015年4月4日アップ者より)
2015年04月04日(横浜・千葉)の科目終了試験は本資料から出題されています!
2015年04月05日(日野・札幌)の科目終了試験は本資料から出題されています!
2015年04月11日(佐賀・東京)の科目終了試験は本資料から出題されています!
2015年04月12日(京都・豊橋)の科目終了試験は本資料から出題されています!
2015年05月09日(福岡)の科目終了試験は本資料から出題されています!
2015年05月10日(日野)の科目終了試験は本資料から出題されています! (2015年5月12日アップ者より)
★★【2012年度~2014年度前期を終えて・・・2年半の傾向】★★
※ 2013年度の問題と2014年(2014年10月25日 アップ者追記)度前期(4月~10月)の問題は傾向はまったく一緒(まったく同じ問題)でした。
文語の敬語動詞「給ふ」の二つの方法について説明しなさい。
①「与ふ」の尊敬語 ②尊敬の補助動詞・謙譲(丁寧)の補助動詞 「与ふ」の尊敬語。「お与えになる」意。 また命令形「たまへ」が他の動詞の意味を含んで命令する意を表す用法がある。(例文12・13) 補助動詞としての用法には、尊敬と謙譲(丁寧)の二つの意があるので注意が必要。 (尊敬の補助動詞「たまふ」は四段活用、謙譲の補助動詞「たまふ」は下二段活用となる。)
A 動詞 … ハ行四段活用 … 「与ふ」「授く」の尊敬語 (例文1) B 補助動詞 … ア ハ行四段活用 … 尊敬 (例文2・3・4・7・8) イ ハ行下二段活用 … 謙譲(丁寧)(例文5・6・9・10)
文語の敬語動詞「侍り」「候ふ」の二つの方法について説明しなさい。
〈侍り〉〈候ふ〉
①「お仕えする」「伺候する」の謙譲語 ②「あり」「をり」の丁寧語 「あります」「ございます」の意 ③丁寧の補助動詞
例1:もの恐ろしき夜のさまなめるを、宿直人にて侍らむ。 (動詞・謙譲語) (なんとなく恐ろしい感じの夜であるようなので、(私が)宿直する人としてお仕えしよう。) 例2:北山になむ、なにがし寺といふ所に、かしこき行なひ人侍る。(「あり」の丁寧語) (北山に、なんとか寺という所に、りっぱな修行者がいます。) 例3:今までとまりはべるがいと心憂きを、……。 (補助動詞・丁寧) (今まで生き残っておりますのが、たいへんつらく思われますのに、……。) 例4:さくらの花の散りはべりけるを見てよめる。 (補助動詞・丁寧)) (桜の花が散りましたのを見て詠んだ(歌)。)
「さぶらふ」は、「はべり」とほぼ同義に用いられるが、謙譲語としては「はべり」よりも意味が強い。 本来は謙譲語であったが、のち、丁寧語としても広く用いられた。
「はべり」は中古に用例が多く、中世以降になると「さぶらふ」が代わって用いられた。
文語の敬語動詞「奉る」「参る」の二つの用法について説明しなさい。
〈参る〉
①「行く」「与ふ」「やる」の謙譲語 ②「食ふ」「飲む」「着る」などの尊敬語
〈奉る〉
①「与ふ」「(人を)やる」の謙譲語 ②「飲む・食ふ」「着る」「乗る」の尊敬語 謙譲の補助動詞
「『内裏に参らばや』と光源氏のたまふ」の「参ら」「のたまふ」について、敬意の方向を答えなさい。
「参ら」 ⇒謙譲語(光源氏から動作の客体)
「のたまふ」⇒尊敬語(筆者から光源氏)
『枕草子』において、大納言が中宮定子のところ「来る」ことを述べた「大納言殿の参りたまへるなりけり。」における「参り」と「たまへ」の敬意の方向を答えなさい。
「参り」 ⇒謙譲語(大納言から中宮定子)
「たまへ」 ⇒尊敬の補助動詞「給ふ」が大納言に敬意を表す
文語文における「なむ」の四種類の見分け方について説明しなさい。
「なむ」の識別
1 ナ変動詞の未然形の語尾+推量(意志・婉曲)の助動詞「む」 例:すべきやうもなし。我は往なむ。 (しなくてはならないこともない。私は行こう。) 直前の部分とあわせて「往な・去な」か「死な」の形になっている。
2 強意(完了)の助動詞「ぬ」の未然形+推量(意志・婉曲)の助動詞「む」 例:髪も長くなりなむ。 (髪もきっと長くなるだろう。) 完了の「ぬ」は連用形に接続するので、「なむ」の上の語が連用形になっている。
3 強意の係助詞「なむ」 例:難波より、昨日なむ都にまうで来つる。 (難波から、昨日都に参上した。) 文末が連体形となる係り結びとなっている。(ここは「つ」の連体形の「つる」) なむ」を取り去っても文意が変わらない。
4 他に対しての希望を表す終助詞「なむ」 例:とく参らなむとおぼす。 (早く参上してほしいとお思いになる。) 希望の終助詞「なむ」は未然形に接続するので、「なむ」の上の語が未然形になっている。 文末にあって、「……(し)てほしい」意を表す。
係り結びの法則を形作る文語系助詞をすべて答え、それぞれの結びの活用形を答えなさい。
【係り結びの法則を形作る文語形助詞】
「ぞ」「なむ」「や」「か」「こそ」
「ぞ」「なむ」「こそ」・・・強意
「や」「か」 ・・・疑問・反語
【結びの活用形】
「ぞ」「なむ」「や」「か」・・・結びは連体形
「こそ」・・・結びは已然形
「し」の三種類の用法の見分け方について説明しなさい。
「し」の識別
1 サ変動詞の連用形 例:いかにわびしき心地しけむ。 (どんなにつらい気持ちがしただろう。) 終止形が「(…)す」となり「(…)をする」という意味になる。下の語が連用形につく語である。
2 過去の助動詞「き」の連体形 例:京より下りし時、みな人、子どもなかりき。 (京から下った時は、みんな子どもがなかった。) 過去の助動詞「き」は連用形につくので、「し」の上の語が連用形になっている。
3 強意の副助詞「し」 例:朝霧に島がくれゆく舟をしぞ思ふ。 (朝霧の中、島の陰に見えなくなる舟を思う。) 多く「しも」の形でもちいられ、「し(しも)」を取り去っても文意が変わらない。
文語文における「なり」の四種類の見分け方について説明しなさい。
1 ラ行四段活用動詞の連用形 例:子となり給ふべき人なめり。 (子におなりになるはずの人であるのだろう。) 「(…に・…と)なる」意を表す。文節に区切ると、自立語と判断できる。
2 ナリ活用の形容動詞の終止形(または連用形)の語尾 例:庭のさまもあはれなり。 (庭の様子もしみじみとした情趣がある。) 「なり」の上の語が一語として独立しない。「……なり」の形で状態様子を表している。
3 断定の助動詞「なり」の終止形(または連用形) 例:きはめて愚かなる人なり。 (たいそう愚かな人である。) 体言(名詞)または連体形につく。
4 伝聞推定の助動詞「なり」の終止形 例:侍従の大納言の御娘なくなりたまひぬなり。 (侍従の大納言の御娘がおなくなりになったということだ。) 終止形につく。ラ変型活用の語には連体形につく。
「海に入らむ」「見るに竹の中光れり」のそれぞれの「に」の用法を説明しなさい。
格助詞「に」
接続助詞「に」
「る」の3種類の用法の見分け方について説明しなさい。
1 受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」の終止形 例:大納言、いづれの船にか乗らるべき。 (大納言は、どの船にお乗りになるつもりだろうか。) 例:冬はいかなる所にも住まる。 (冬はどんな所にも住むことができる。) 受身・尊敬・可能・自発の「る」は、四段・ナ変・ラ変動詞の未然形につくので、「る」の上が四段・ナ変・ラ変動詞の未然形になっている。 受身・尊敬・可能・自発のどの意味になるかは、前後の文意から判断する。
2 完了・存続の助動詞「り」の連体形 例:あさぼらけありあけの月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 (古今集) (夜明けごろ、有り明けの月の光がうつっているかと思うほどに白く吉野の里に降り積もっている白雪だなあ。) 完了の助動詞「り」はサ変動詞の未然形か、四段活用動詞の已然形につくので、「る」の上がサ変動詞の未然形か、四段活用動詞の已然形になっている。受身・尊敬・可能・自発の「る」はサ変動詞の未然形にはつかない。(「らる」がつき「せらる」となる。) 「せる」という形は、サ変動詞の未然形+完了の助動詞「り」の連体形である。
このほか、ラ変型活用語の連体形は「…る」となる。 また、終止形・連体形が「…る」の形となる動詞が多数ある。
枕詞とかかる語を十個あげなさい。
朝露の(あさつゆの)→消(け)、消え、おく、命
青丹によし (あおによし) →奈良
茜さす(あかねさす)→日、昼、紫、照る、君
天の原(あまのはら)→ふりさけ見る、富士
足引きの(あしびきの)→山、峰、尾の上
唐衣(からころも)→着る、裁つ、袖、裾
垂乳根の(たらちねの)→母親
久方の(ひさかたの)→天(あめ、あま)、雨、月、雲、空、光 など
草枕(くさまくら)→旅、ゆふ、仮、露、結ぶ
紅の(くれなゐの)→色、うつし心、浅
● あとがき
本資料をダウンロードいただきありがとうございます。資料は参考になりましたでしょうか?
本資料は「2013年度の明星大学の全会場の科目終了試験の過去問!」と題して、全国の100名以上の明星大学通信課程に在籍している方の協力を得て、作成した資料です。現役の明星通信生の多くの方が本資料の作成に携わっています。
本資料をダウンロードいただいたという事は、貴殿は普段の生活を、充実しながらも多忙に過ごしているかと思います。科目終了試験においても、「効率よく合格したい」という気持ちがあるのではないでしょうか?
編集・校正をさせていただいた私自身も同じ気持ちです。多忙な生活の中、指定されたテキストはとても範囲が広く、また深い記述もあるため、1冊まるまる勉強するとなると、勉強時間がとてもかかってしまいます。私にはそんな時間がなかったのです。
インターネットや大学の図書館で、過去問を散々探しましたが、大学のカリキュラムが変更(人文学部から教育学部へ)になった事もあり、参考になる情報は限られています。また、2011年度以前の問題を参考にしても、2012年度からずいぶんと傾向が変わっている科目も多いのです。
本資料を、過去問を提供してくれる仲間達の間で共有した所、「すごく参考になる!」「対策しやすい!」という声が多数寄...
※ 2013年度の問題と2014年(2014年10月25日 アップ者追記)度前期(4月~10月)の問題は傾向はまったく一緒(まったく同じ問題)でした。