問題の所在
国際私法規定は『夫婦財産制は婚姻の当時に於ける夫の本国法に依る』『相続は被相続人の本国法に依る』というように『夫婦財産制』『相続』等各種の法律関係を単位として、それぞれの準拠法を指定する。ある渉外的私法事件については、その準拠法を定めるに当り、まず準拠法の単位である、いかなる単位法律関係であるかをさだめなければならない。その問題が夫婦財産制であるか、また相続であるかによってその結果は異なる。従って、この問題は国際私法規定適用の前提問題である。
法律関係の性質決定
問題の所在
国際私法規定は『夫婦財産制は婚姻の当時に於ける夫の本国法に依る』『相続は被相続人の本国法に依る』というように『夫婦財産制』『相続』等各種の法律関係を単位として、それぞれの準拠法を指定する。ある渉外的私法事件については、その準拠法を定めるに当り、まず準拠法の単位である、いかなる単位法律関係であるかをさだめなければならない。その問題が夫婦財産制であるか、また相続であるかによってその結果は異なる。従って、この問題は国際私法規定適用の前提問題である。
またこの問題を逆の面からみれば、国際私法規の『夫婦財産制』『相続』という法律概念がどのような法律関係を包摂するかを決定すべき問題ともいえる。これらの法律概念は、例えばA国では夫婦財産性の問題とされる法律関係もB国では相続の問題とされることがしばしば起こる。そこで、これらの法律概念の意味内容をいかに決定すべきかが問題となる。
これが法律関係性質決定の問題であって、総論における重要課題の一つである。
沿革
この問題が学者の注目を惹いたのは、19世紀末にドイツのカーンが『潜在的法律の抵触』、他方フランスのバルタンが『法律...