血液製剤確保への課題
血液製剤の確保という課題において、まず私は2つの対極する考え方からアプローチする。それは、献血という制度を報酬制にするか罰則性にするかだ。尚、ボランティアという考え方は現状以上の発展の余地はないと思うので今回はこれについて意見はしない。
まず罰則化された献血について述べる。大雑把にいえば献血に協力しない市民をしょっぴいていくというものだが、そんなアカい国的なものではなくもっとマイルドな罰則を考える。たとえば健康保険料の値上げはどうだろう。「健康で献血に支障がないにもかかわらず献血に協力しないものは10%負担増」。ほかにも刑罰としてはどうか。ただし献血を罰として扱うのはいかがなものかと思うので社会奉仕を行わなければいけない刑罰として執行するのがよさそうだ。
ではもう一つの案、協力者に報酬を与える形ではどうだろう。こちらは前者に比べてウケがよさそうである。まず単純に報奨金を与えるのはどうか。ようは血を売るという考え方だ。ただこの方法はおそらく誰しもがまず思いつくものだろうが、今まで実施されるに至っていない。つまりさまざまな問題をはらんでいるということだろう。考えられるデメリットとして反社会的組織の介入する可能性、そして人身売買という医療倫理に抵触するということが挙げられる。しかしこの問題を解決すれば血液製剤不足の議論はされなくなることだろう。それならば金銭のやり取りを直接伴わない現物支給的考えに切り替えてはどうか。といっても今までのようにグッズや生活用品の贈呈程度ではない。健康診断時、年間の規定回数以上献血をすれば診断を無料化。HIV検査の結果通知をするようにするのだ。HIV検査の結果通知は検査機関の崩壊が危惧されるが国の補助、または社会のために既得権益を取り上げ、赤十字と統合する。消費税率上昇に伴って財源を確保することは可能だ。蛇足になるがそもそも消費税の導入は医療費補填も目的の一つであったのだから官僚たちに善意が芽生えれば全く支障はないはずである。
以上自分なりにアイデアを述べたが所詮は机上の空論でありどんなに良い方法を考えたところで無駄である。なぜならこのような議論をするとき誰もが根本的な問題から目をそらすからである。それは「事なかれ主義」という現代社会に根付いてしまっている風習。誰かが声を上げ、変えようとしない限り我々がこのような文章をいくら書こうが無駄なのだ。しかしだ、願わくばこのような課題を教員が与え続けることによって若き革命家がこの問題に憤り、解決に導くことになってほしい。