生態系における物質循環について
生態系における物質循環について
生物は1個体だけで生活をしているのではなく、周囲の生物とともに、生態系という生物の生活を維持する自然界の秩序のなかで生きている。これは、ある地域内の生物集団と無機的環境(気候的環境、土壌的環境)とがかかわる物質循環とエネルギーの流れによって維持される秩序のことである。生態系のエネルギーの根源は太陽で、最終的に生物の生命活動によって熱となって宇宙空間に放出されており、これは開放系のシステムといえる。一方物質は、生態系を循環する限られた資源であり、さまざまな化合物となって生態系を支えている。「地球上には100種類を超える元素が存在しており、生物はその中のある特定の元素の組み合わせのうえに生命活動を維持している。これらの元素は絶えず生物の体の内と外の間でやりとりされており、生産者・消費者・分解者とよばれる賀来生物群のそのような営みが、ひいては生体系内における元素循環を支配している。」1)
生態系の物質循環では、生産者(植物)群集による有機物の生産と、生産者を食物とする消費者(動物)群集による食物連鎖と、分解者(細菌類)群集による生物の排出...