以前に学習したことが、その後の学習に影響を及ぼすことは転移と呼ばれる。前の学習が、後の学習を促進するときには正の転移、妨害するときには負の転移と呼ばれる。例えば、ペン字を習うと筆の使い方が上手くなる場合が正の転移であり、バドミントンで覚えたスナップの使い方が、テニスで上手く行かない場合が負の転移である。
特に、身体の一方の側の効果器(例えば、右腕または右足など)における運動学習が、もう一方の効果器(例えば、左腕または左足など)での運動学習にもたらす転移を両側性転移という。
運 動 学 習
-鏡映描写による両手間転移の現象
【目 的】
以前に学習したことが、その後の学習に影響を及ぼすことは転移と呼ばれる。前の学習が、後の学習を促進するときには正の転移、妨害するときには負の転移と呼ばれる。例えば、ペン字を習うと筆の使い方が上手くなる場合が正の転移であり、バドミントンで覚えたスナップの使い方が、テニスで上手く行かない場合が負の転移である。
特に、身体の一方の側の効果器(例えば、右腕または右足など)における運動学習が、もう一方の効果器(例えば、左腕または左足など)での運動学習にもたらす転移を両側性転移という。では両側性転移が生じる時、どのような学習プログラムが形成されているのであろうか?
本研究では、新しい運動学習場面として鏡映描写装置を使用した。鏡を見ながら一方の効果器で図を学習経験が、もう一方の効果器で図を描く成績を向上させる両側性転移が見られるのかどうかを調べた。また、そのときにどのような学習プログラムが形成されているのかも検討した。
【方 法】
被験者 学部学生2名
課題及び装置 鏡映描写装置を用いて実験を行った。使用する図形は一辺の長さ3cm星...