[道徳教育指導論] 法政大 第1回 設題 A評価
「現在の日本の公教育において、道徳教育はどのように行われているか。」
①その仕組みと特徴について
②そうした仕組みが、教師の道徳教育実践を支援するものになっているかどうかについて
道徳教育指導論
(1)現在の日本の公教育において、道徳教育はどのように行われているか。
①その仕組みと特徴について
最初の学習指導要領の成立は、昭和22年の『学習指導要領一般編(試案)』である。これは教師の
ための「手引書」として作られ、授業をする際に参考にすべきものとして考えられ、「試案」の文言が付さ
れていた。これにより、授業時間数や様々な教育方法(生活単元学習・問題解決学習)の提示など一定
の基準は設けられていたが、各学校での裁量権が大きい等、画一的な教育が意図されたものではなかっ
た。
「個人の人格を何よりも重んじ、人権を何にも増して尊ぶということが根底になくてはならない」とされ、
個人の価値と尊厳を尊重することが指導の基本となることが強調された。学校教育の様々な指導におい
てそれぞれの目標を達成して、児童生徒の円満な人格を達成する。学校が本来の教育目標を達成してい
くことが、道徳教育の目的をも満たすと考えられていた。判断の主体性と自主性を発展させるという考
えから、児童・生徒の生活と直結した問題解決の活動は、生活主義・経験主義的に学校教育の全体計画
の中に、道徳教育を位置付け...