不真正不作為犯

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2011年度課題レポート・刑法1(総論)のものです。

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題:不真正不作為犯甲の罪責



 本件の問題の所在は、①甲が過失により車でXを轢いたこと対する法的評価、②甲がXを遺棄する場所を探しながら車に乗せて走行する行為、及び③甲のXが死に至ることを認識認容しながら、つまり殺意を持ちながらもXを救助する義務がないと考えていること、の3点にある。

 以上の論点を考察した上で、甲の罪責は如何に判断すべきか。

 

第一章:自動車運転過失致傷罪の成否

甲がXを自動車で轢いたことに対する法的評価を如何に考えるべきか。

まず甲は、過失により車をXに衝突させ、Xに重度の障害を負わせたため、自動車運転過失致傷(211条2項)の罪責を負う。

この点、Xは結果として死亡しているので甲は自動車運転過失致死(同条)の罪責を負うかとも考えられるが、死の結果はその後の甲の一連の不作為により発生したとみることもできる。

 そこで、事故発生直後Xは意識不明状態であり、結果発生の最大原因は甲の不作為によるものと考えることが自然であるため、自動車運転過失致死罪の適用は妥当ではないと考える。

 よって、本件では甲に対し自動車運転過失致傷罪の成立がまず考えられる。...

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