文学分冊2

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    文学 分冊2
    日本大学 総合教育科目
     吉田精一の考える「文学の本質」について
    始めに、文芸の本質とは、「文芸を文芸たらしめているもの・・・」であり、いかなる時代にも文芸は存在するものである。文芸の本質論においては、一定の社会の思想、感情の言語による表現、という説が成り立つものである。よって作品を通じる社会的等価を発見するのが文学の本質を求める第一条件となるのである。

     しかし、一定の社会の思想・感情の言語的表現は、必ずしも文芸とは限らず、文芸の文芸性というべき普遍的な本質について求めることは困難なものである。なぜなら、われわれの目の前にあるのは具体的な作品であり、歴史的な個物であるからである。あらわれているものは個物的な像であり、また、それが秘密に満ちた根源でもあって、言語や詩、もろもろの芸術を生む基礎となるものもある。

    次に、想像力は、理性よりも根源的なものであるが、単なる感情ではなく、ことに真の芸術的想像力においては、知的要素と感情的要素が含まれ、その内面的統一である。芸術的想像力における知的要素とは、散漫な夢想ではとらえることのできない事物、それ自体に存する無私な秩序の発見...

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