明治なかごろ最初の企業設立ブームがなぜ起こり、それが日本経済にどのような効果をもたらしたか。
殖産興業により、電信、鉄道といった部門を設立し国が技術者を雇い、官営工場として成り立つようにして、政府から鉱山や工場を払い下げられた三井・三菱・住友などの大資本家は,多くの企業を支配して財閥とよばれ,台湾や朝鮮・満州にも進出して利益を上げるようになり、それに続く企業設立ブームが起こった。その結果、「富国強兵」「文明開化」が発展して明治の末に、日露戦争に勝利し、欧米諸国に認められ、一等国の仲間入りができた。日本経済は産業革命が進んだ。
当時の経済情勢
1881年の政変により、大蔵卿に就任した松方正義がとった厳しい緊縮財政政策のもと、明治10年代後半の日本は激しいデフレーションに見舞われた。(松方デフレ)
このため士族や小規模商工業者といった都市住民の貧困化や、農村部における下層農民の土地喪失・小作化が進行し、膨大な失業・半失業状態の階層が生まれた。その一方で、過剰に発行された紙幣の整理がすすんだ結果、物価が下落し通貨価値も安定した。
明治18年から19年にかけては銀兌換制度が整備され、日...