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「生涯発達の観点から、高齢者の発達課題について述べよ。」
発達とは、「個体が時間経過に伴ってその心的・身体的機能を変えてゆく過程」(広辞苑第六版)を言う。人は、その生命の発生から死に至るまで発達を続けるといえる。ただし、そのうちには、生物として完全な状態に近づく過程と、その後様々な機能が低下し、死に至る過程が含まれる。
エリクソンは、人格の発達段階について人生を8段階に分け、それぞれの段階において成し遂げるべき課題を考えた。そして、その課題の克服に成功したときに到達する状況、失敗したときに陥る状況について述べた。その最終段階にあたる老年期(65歳~)の発達課題を「人生の意味をまとめる」として、達成した時に得るものを「自我の統合」とし、失敗した場合は「絶望」となるとしている。老年期は成人後期または円熟期ともいう。エリクソンによれば、老年期の課題は、自分の人生をありのままに受け入れ、人生の意味をまとめること、つまり、自分の長所や成功だけでなく、短所や失敗も含めて自分自身を肯定的に受け入れて人生を締めくくることである。なお、老年期の後に、身体が衰弱し、絶望感を抱くようになり、自尊心...