この講義中で取り上げられた章段の中で私が特に清少納言の人柄を感じることができて興味を持つことができた段を中心に述べていきたい。
まず、二九八段「僧都の君の御乳母のままなど」について述べたい。この段は下男が西京の火事(左馬寮から出火)で家が全焼し、家財道具も持ち出す暇もなく逃げてきたので生活に困窮し、日々他人の家に宿借り状態で助けを求めてきたという話から始まる。話の内容としては、清少納言が「どうしたのか」と対応し、事情をききだす。下男の泣き言を聞いてその場にいた周りの人が笑い出し、清少納言が「なぜ草を燃やすだけの火事だったのに、よどのは残らなかったのでしょうね」という歌を詠み、「おあげなさい」と投げてやる。それを読んだ女房たちは大声で笑い、「ここにいらっしゃる人が、家が焼けたことをかわいそうに思ってくださるのだよ」といって手渡す。「何がいただける書付なのでしょう」と下男は尋ねるが、女房は「読めばいいではないか」とあしらう。しかし下男はそれを見ても、文字の読んだりする教養を身に着けていないのでよむことができない。「人に読んでもらいなさい。そんなすばらしいものをもらって、なぜくよくよする必要があるのか」と言い捨てて女房たちは大笑いし、お前に参上する。参上してからもそのことを話題にして笑い騒ぎ、中宮も「突拍子もないひとたちだ」とお笑いになった、ということである
枕草子 講義で取り上げられた章段からの考察
この講義中で取り上げられた章段の中で私が特に清少納言の人柄を感じることができて興味を持つことができた段を中心に述べていきたい。
まず、二九八段「僧都の君の御乳母のままなど」について述べたい。この段は下男が西京の火事(左馬寮から出火)で家が全焼し、家財道具も持ち出す暇もなく逃げてきたので生活に困窮し、日々他人の家に宿借り状態で助けを求めてきたという話から始まる。話の内容としては、清少納言が「どうしたのか」と対応し、事情をききだす。下男の泣き言を聞いてその場にいた周りの人が笑い出し、清少納言が「なぜ草を燃やすだけの火事だったのに、よどのは残らなかったのでしょうね」という歌を詠み、「おあげなさい」と投げてやる。それを読んだ女房たちは大声で笑い、「ここにいらっしゃる人が、家が焼けたことをかわいそうに思ってくださるのだよ」といって手渡す。「何がいただける書付なのでしょう」と下男は尋ねるが、女房は「読めばいいではないか」とあしらう。しかし下男はそれを見ても、文字の読んだりする教養を身に着けていないのでよむことができない。「人に読んでもらいなさい。そんな...