情報の経済学
第二章で私たちが導入した経済理論の重要な仮定のひとつは、買い手と売り手は完全な情報を持っているということであった。さらに、競争環境下において、売り手は市場価格に影響を全く与えることができない数ある企業の中の一企業であるか、市場価格に影響を与えることのできる少数の企業の中のひとつのどちらかである。それでもなお寡占状態では、売り手が価格設定を左右する需要と供給についての完全な情報を持っているということを仮定している。また、売り手は誰が競合相手であるか、またその競合相手が取りそうな価格設定行動について知っている。
しかしながら、たいていの場合、どの売り手や買い手も完全な情報を持っておらず、利用できる情報を完全に分析することはできない。その結果として、私たちは買い手と売り手が不完全な情報を持っているという環境のおいてどのような行動をとりうるかということを理解するためのアプローチの仕方を発展させなければならない。
プライシングマネージャーのお粗末な価格設定の理由
プライシングマネージャーが誤った価格設定をしてしまうのは、一言でいってしまえば、情報不足である。つまり、プラインシン...