コメニウスと幼児教育

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    コメニウスと幼児・学校教育
                            07PP037  岩村 康広
    私は幼い頃どういう教育をされたのかはっきりと覚えていない。しかし、膨大な量の情報を目や耳、鼻、手足、様々な器官を通し、自分の知識として手に入れてきた。そしてその過程の裏側には必ず母親がいた。幼児にとっての母親の存在というものは計り知れないものがあり、絶対的な存在である。しかし、それは幼児に限ってのことであって、母親自身、自らを完璧な人間だとは思っていない。母親が自分の子どもをどう教育すればいいのかアドバイスを求めることが少なくないのが実状だ。

     そこで生まれたのが母親学校。自分の子どもを優秀に育てたいという今のニーズに合わせてつくられた学校だ。母親学校の教育内容には八つの項目がある。
    ・自然学 …自然の事物及び自然現象、

    自身の身体・四肢の名前と働きを学ぶ事 
    ・光学 …光と闇の区別、白と黒など

    若干の色彩の区別と名前を理解すれば十分である。
    ・天文学 …太陽と月を認識し、星がどれかを知ること。
    ・地理学 …自分の住んでいる場所が村・町・都市のいずれかを知る。

    田畑・山・川を知る。
    ・年代学 …時間の区別を知ること。季節の違いを知ること。
    ・歴史 …過去の出来事を思い出せること。
    ・家政学 …家族構成員の名前と家具の用途を知ること。
    ・政治学 …どの人を市長や裁判官と呼んでいるかに気づくこと。 

    ※このように小さな年頃ではあまり必要ない。なぜなら、たとえ市長や裁判官の名前を聞いたにせよ、子ども達はそのような人の側に要るわけではないし、役割を理解できないからである。

    (井ノ口淳三「『母親学校指針』における年齢区分に関する考察」から引用)

    母親学校は確かに画期的な学校だと思う。しかし私は母親学校には反対だ。というか幼児教育にそこまで力を入れる必要はないと思う。近頃、子育てに悩み、頭をかかえる親が増えている。テレビなどでよく取り上げられているテーマでもあるが、カウンセラーはいつも「力を抜いて」、「気楽に」、言葉は悪いが、「放っといて育てるぐらいの気持ちで」などとアドバイスがある。まさにその通りだと私は思う。私自身、母親に聞いたところ『ノイローゼになりそうになったことはない』と言われ、そのポイントはやはり「放置する勇気」あった。子育てにおいて「放置」など考えられないと思うだろうが、放置するといっても、頭の中から子どものことをすっかり忘れるという意味ではない。気を張りつめて育児をするのは自分にとっても子どもにとってもあまり良いものではない。ストレスがたまり過ぎになると虐待につながるケースもあるし、最近は殺してしまう悲しい事件までエスカレートしているからだ。

    子どもをしっかり愛してあげればもうそれで十分だと私は思う。
    私が力を入れるべきであろう教育は初等教育にあると思う。
    コメニウスは現代の学校での教育、すなわち学校教育のしくみを構想した。今日、日本をはじめ多くの国でみられる同一年齢・同時入学・同一学年・同一内容・同時卒業といったしくみは、コメニウスの構想に発するものである。コメニウスは、こうした学校のありかたを通じ、人びとがすべての知識を共有することよって、戦争が終わり、ヨーロッパが一つになると考えた。この考え方は、現在のユネスコに受け継がれている。

    (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9)
    コメニウスの考え方の終局には“平和”という素晴らしい光があったにもかかわらず、日本の凶悪犯罪はとどまることを知らない。青少年犯罪も増える一方で、学校教育の現場は頭を抱えている。今一度コメニウスの学校教育の原点“平和”に戻り、初等教育から改革していかねばならないだろう。

     

    教養がなければ戦争は起こり、平和が訪れることはない。
    コメニウス 

    …早くから全ヨーロッパにその知性と見識が知れ渡り、三十年戦争およびその後の宗教戦争で故国を追われ、終生、故郷に戻ることはかなわなかったものの、学校改革の指導者、教育改革の提言者にして、宗教的な福音の宣教者として、ヨーロッパ中の宮廷や議会から助言を求められ、そのなかには宰相リシュリュー、スウェーデン宰相オクセンシェルナ、ドイツ、ハンガリーの諸侯にイギリス議会、アムステルダム市会も含まれていたというから、その評価の高さは言わずと知れるだろう。

    コメニウスの主著は、ラテン語教育の手法を軸に教育学そのものの体系を考案した『大教授学』、『開かれた言語の扉』の他に、世界初の子供のための絵入り子供百科事典『世界図絵』が含まれる。 これは、この世界から人体、職業、徳目や世界的な諸宗教に至るまで、偏見のない普遍的な教養のありようを、各ページごとに上に絵、下にその説明を配するといった、科学的な話題について、現在と若干の学問的な進歩の差がみられることを除けば、レイアウトさえ新しくすれば今でもそのまま通用しそうな高水準のものである。

    また、コメニウスは、ライフサイクルの全般を通しての生涯学習を初めて体系的に語った教育学者でもあり、そのなかには、誕生前の母親に対しての教育、母親教育から高齢期には、みずからの死への心の準備、死の受容といった今日的な観点も含まれている。

    (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9)
                     (計2287字)

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