マックス・ヴェーバーの社会学の性格について述べよ。
・はじめに
マックス・ヴェーバーは、法曹家で国民自由党の代議士であった父と、教養のある敬虔な母との間で、1864年にドイツのエルフルトで生を受ける。1871年、普仏戦争の勝利でようやく統一された後進国のドイツが、いかにして民主化、産業化した近代社会になりうるかをヴェーバーは考えた。近代ヨーロッパ文化世界では全ての領域で合理化が進み、その特徴として近代資本主義の確立に至った。そのシステムはきわめて合理的であるがゆえに、普遍的な隷属の装置となって、人々を資本主義の中でがんじがらめにしている現状であった。ヴェーバーは近代ヨーロッパ文化世界はいかなる歴史的社会的条件の連鎖によって生み出されたのかを明らかにしたうえで、近代ヨーロッパ文化世界を内在的に批判する試みが、生涯にわたってやろうとしたことである。
・ヴェーバーの社会科学の方法論
ヴェーバーの社会科学の方法論を考察するには、「客観性」=「価値自由」と「理念型」という概念からなっていることが分かる。
ヴェーバーは人間はみずからの価値理念(主観)から一面的にしか認識することはできないと考...