生徒指導・進路指導論
日本大学 教職課程
学校における進路指導とは、従来、卒業時における就職あっ旋や上級学校への受験対策指導であったが、現在はこういったプレースメント(配置指導)にのみその本質があるのではないと解釈されている。
法的な根拠を示せば、日本国憲法第22条「何人も公共の福祉に反しない限り・・・職業選択の自由を有する」や職業安定法第2条「何人も公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる」などの基本法規を受け、学校教育法第36条・第2号において「社会に必要な職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと」、また、同法規第42条・第2号において「社会において果たさねばならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること」ということになる。
では、こうした法的根拠に基づき、学校における進路指導とは、どのような意義を持つものなのであろうか。
まず始めに、生徒の“生き方の自覚”という面を挙げることができる。つまり、進路指導は生徒の自己概念(self-c...