戦後中小企業の発展の軌跡
戦後復興期(1940〜50年代)の中小企業は低賃金依存型である。当時の中小企業は低い技術しかなく、低生産性による低賃金という悪循環をもたらしていた。中小企業の役割は過剰労働力を吸収し、米国向けの輸出(60%を占める)の製品をつくることだった。また一部技術力を持った中小企業(主に軽工業)もあり、量産型中小企業の先駆者的存在になった。
高度成長期(50年〜)に入ると重化学工業の発展に伴い、輸出の中心は大企業に変わり、中小企業は重化学工業の生産性上昇、競争力強化を支える役割(サポーティング・インダストリー)に変わった。特定生産分野に専門化したことで専門技術と量産能力が向上したのである。大企業の技術指導を受け、それぞれの分野で量産体制の確立、品質向上、コスト削減。機械工業では下請企業上層部として発展した。規模は大企業に及ばないが、高能力型零細企業が急増した。
低成長期(70~80年代)にベンチャービジネスが登場した。産業の知識集約化と減速経済により、中小企業の経営が不安定になったが、それは新たなビジネスチャンスでもあった。大企業で限界を感じた知識の高い経営者がアウトソーシングを利用し、自らは得意分野に特化するソフト型中小企業が現れた。
戦後の中小企業の発展と自動車・家電の下請再編
戦後中小企業の発展の軌跡
戦後復興期(1940~50年代)の中小企業は低賃金依存型である。当時の中小企業は低い技術しかなく、低生産性による低賃金という悪循環をもたらしていた。中小企業の役割は過剰労働力を吸収し、米国向けの輸出(60%を占める)の製品をつくることだった。また一部技術力を持った中小企業(主に軽工業)もあり、量産型中小企業の先駆者的存在になった。
高度成長期(50年~)に入ると重化学工業の発展に伴い、輸出の中心は大企業に変わり、中小企業は重化学工業の生産性上昇、競争力強化を支える役割(サポーティング・インダストリー)に変わった。特定生産分野に専門化したことで専門技術と量産能力が向上したのである。大企業の技術指導を受け、それぞれの分野で量産体制の確立、品質向上、コスト削減。機械工業では下請企業上層部として発展した。規模は大企業に及ばないが、高能力型零細企業が急増した。
低成長期(70~80年代)にベンチャービジネスが登場した。産業の知識集約化と減速経済により、中小企業の経営が不安定になったが、それは新たなビジネスチャンスでもあった。...