はじめに
消費者の商品に対する価格判断は購入決定を左右する重要な要因である。この価格判断の判断材料となるのが、消費者の心の中(記憶)にある内的参照価格である。メーカーや小売業者は内的参照価格の性質を分析し、消費者の価格判断の形成プロセスを理解することで、的確な外的参照価格(売り場の価格)を決定することができる。しかし、この分析は非常に難しく、例えば,メーカーや小売業者が消費者に受容されると考えて設定した販売価格が受容されなかったり,高めに設定した販売価格が予想に反してすんなりと受容されたりするような現象が起こることがある。また,同一製品の価格に対する同じ消費者の反応がTPO(Time, Place, Occasion)によって異なる現象や同一製品の同一価格に対する反応が消費者間で異なるような現象も起きる。ただし,内的参照価格はメーカーや小売店が設定した販売価格の影響を受けるだけでなく,販売価格を消費者がどのように解釈し記憶したかなど,消費者自身に関連する要因の影響を受けるため,そのメカニズムは複雑である。ここでは、参照価格、消費者の反応をメインにマーケティング戦略との関係を分析し、効果的なマーケティング戦略を考えたい。
消費者行動論レポート
「買い物における価格の役割」
はじめに
消費者の商品に対する価格判断は購入決定を左右する重要な要因である。この価格判断の判断材料となるのが、消費者の心の中(記憶)にある内的参照価格である。メーカーや小売業者は内的参照価格の性質を分析し、消費者の価格判断の形成プロセスを理解することで、的確な外的参照価格(売り場の価格)を決定することができる。しかし、この分析は非常に難しく、例えば,メーカーや小売業者が消費者に受容されると考えて設定した販売価格が受容されなかったり,高めに設定した販売価格が予想に反してすんなりと受容されたりするような現象が起こることがある。また,同一製品の価格に対する同じ消費者の反応がTPO(Time, Place, Occasion)によって異なる現象や同一製品の同一価格に対する反応が消費者間で異なるような現象も起きる。ただし,内的参照価格はメーカーや小売店が設定した販売価格の影響を受けるだけでなく,販売価格を消費者がどのように解釈し記憶したかなど,消費者自身に関連する要因の影響を受けるため,そのメカニズムは複雑である。ここでは、参照価格、消費者の反...