芥川龍之介 羅生門・鼻
評価:C
2012年度 文学 第一課題
芥川龍之介 「鼻」
「鼻」について述べるうえで、まず作者について簡単に述べる。
芥川龍之介(1892-1927)、東京の下町で牛乳業を営む新原敏三の長男として生まれた。生後九か月頃母の発狂のため、芥川家の養子として引き取られた。府立第三中学校を優秀な成績で卒業したため、第一高等学校には無試験で入学。そして東京帝国大学英文科卒、在学中に創作をはじめ、龍之介の処女作品である「鼻」が大正五年二月十五日に出た、同人誌第四次『新思潮』創刊号に掲載された。それが夏目漱石の目に留まる。その後今昔物語などから材を取った王朝もの「羅生門」、「芋粥」、「藪の中」、中国の説話によった童話「杜子春」などを次々に発表、大正文壇の寵児となる。西欧の短編小説の手法・様式を完全に身に付け、東西の文献資料に材を仰ぎながら、自身の主題を見事に小説化した傑作を多数発表。大正25年頃より体調がすぐれず「唯ぼんやりした不安」のなか、昭和2年に薬物自殺。死後8年後に親友の菊池寛が「芥川龍之介賞」を設けた。
池の尾の高僧・禅智内供の鼻は大変有名で長さは5、6寸ほどある。人並みはずれた...