心理検査は、人に共通する普遍性を求めるために知能、思考、性格等の心理的機能とその過程を測定する方法として確立されたものであり、知能検査、人格検査、発達検査等が標準化され使われている。
知能検査は、ビネーらにより知能の測定尺度が開発され、当時は精神年齢という基準で知能の発達水準を測定した。後にターマンにより知能指数(IQ)の概念が導入、スタンフォード・ビネー知能検査として、さらに後に鈴木・ビネー式知能検査、田中・ビネー式知能検査として標準化された。これらの検査は、検査者と被験者が1対1で行うため個別検査法という。
ウェクスラー式知能検査は、①成人用、児童用、幼児用があり適用範囲が広い②集団の中での個人の知能水準を位置付ける知能偏差値が算出可能③言語性IQと動作性IQに分けて算出可能④複数のテストを組み合わせ使用、個人の能力を分析的に測定し対象を多面的・総合的にみるテストバッテリーの形式、といった特徴があり、最もよく利用される。ただし、知能検査の成績は知能の一部分を表すに過ぎず、知能全体の評価でない事に注意すべきである。
人格検査は、概ね投影法、質問紙法、作業法の3つに大別できる。...