「平成18年度までの「特殊教育」と、平成19年度から始まった「特別支援教育」の違いを述べ、特別支援教育の理念と目的についてまとめよ。」
特別支援教育の動向を考えるうえでは、まず、世界的なノーマライゼーションの流れについて理解することが必要である。
ノーマライゼーションとは北欧で生まれた障害児教育および障害者福祉の理念であり、ノーマライゼーションの理念は、障害者を特殊な存在ではなく、サポートを必要とする通常の人として認識する思想である。
障害のある児童に対する世界的なノーマライゼーションの流れとしては、1977年にアメリカで全面的に施行された全障害児教育法において、各公的機関での障害児の受け入れに際し「個別教育計画」の作成等の責務が定められていたことや1978年の「ウォーノック報告」においてイギリスでは、それ以前の障
害種別を廃止し「特別なニーズをもつ子ども」という概念が新しく導入されたことがあげられる。日本は、アメリカやイギリスの教育的支援からは遅れをとりながらも、これらの動向を受けて2003年3月に文部科学省において「今後の特別支援教育の在り方について(再終報告)」が公表された。こ...