第1設題:子どもたちの生活は、その時代や社会の状況による影響を強く受けます。わが国の戦後における家族生活、学校生活の変貌が子どもたちの生活に及ぼした影響について考察しなさい。
【参考文献】
教育と社会 陣内 靖彦・穂坂 明徳・木村 敬子 学文社
【評価】:A
第1課題 第1設題
戦後我が国は、荒廃の中から飛躍的な発展を遂げ、社会を著しく変貌させた。人々の生活水準は向上し、便利になった一方で、慌ただしいものになってきたことも否めない。現在の子ども達は、学校や塾、自宅での勉強に時間をとられ、ゆとりのない忙しい生活を送っている。また、疑似体験や間接体験が多くなる一方で、生活体験・自然体験が著しく不足している。出生動向調査によると、過半数は2人兄弟であるが、一人っ子の割合が年々増加傾向にあるという。「児童環境調査」による「遊ぶ友人の数」では、昭和61年に6人以上が32.4%だったのが、平成3年では、3人以下が32.5%に増え、6人以上は26.7%に減少している。また、友人との付き合い方では、「表面的に」と答えた率は6割以上となった。人と関わる機会や時間が圧倒的に減ってきていることは、現在の
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子ども達の人間関係を作る力の弱さにつながっていると考えられる。また、自立の遅れも目立っている。世論調査の昭和59年と平成6年を比較すると、「部屋の片づけをする」は、43.7%から34.4%へ、「将来の夢を決めている」は、40.2%から35.9%へと減...