第1設題:保健室登校の教育的意義と、初期・中期・後期のそれぞれについて保健室の機能や養護教諭の職務の特質を生かした適切な対応について述べなさい。
【参考文献】
養護教諭の行う健康相談 大谷 尚子・森田 光子 東山書房
養護教諭が行う健康相談活動の進め方 養護教諭研修事業推進委員会 日本学校保健会
【評価】:A
第1課題 第1設題
保健室登校は、教室にいることができない児童生徒の別室登校の一形態であり、養護教諭が職務の特質と保健室の機能を生かした教育活動として関わることが特徴である。保健室登校の初期は、何らかの問題によって激しい混乱が生じている時期である。この時期の子どもは、自分の気持ちを理解してくれる相手を求める。養護教諭は、誠実な対応、許容的雰囲気、共感的理解、話をいつでも傾聴する、など、信頼と安心感を確立する働きかけが必要である。中期は、問題を残しつつも落ちついており、コミュニケーションを活かして、意図的に人間関係をつくる時期である。そして、いろいろな選択肢があることを根気強く伝えていくことや、話題を共有できるものを探すなど、自己表現を支援する時期でもある。有村は、「保健室登校の意義を『本来の自分』が見えてきた後で、他の児童・生徒の様子の見
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聞や観察を通して人間理解が深まり、コミュニケーション能力や社会性が身に着く」(2006)※1、と示し、意識的に様々な経験をさせることが大切であると論じている。初めは来室してくる他の子ども達に怯えることもあるかもしれない。しかし、慣れてくれ...