大学入試競争の過熱化、弊害、などといわれて久しいが、一昔前そのような競争が子供達に悪影響を与えるなどの懸念や、そういった教育への疑問などから、そのような入試偏重型の教育の改善を求める声が高まった。そして、さまざまな入試改革、教育改革が行われ、入試競争を過熱化させるような教育から、教育内容の変更、精選、授業時数の削減などで、ゆとりのある教育へと方向転換をしていった。しかし、その結果今度は子供達の学力低下が問題視されるようになった。調査によれば、日本の子供達の勉強時間は他の先進諸国と比べて少ないという結果が出ている。最近では、大学に入ったものの授業についていけず、予備校で補習授業を受講する学生も増えつつある。このような教育の大きなうねりの中で、日本は教育の方向性をなかなか見出せないでいる。
今回私は大学入試をテーマとしたのだが、大学入試は、入学志願者の学力到達度を測ったり、志願者の選抜をしたりといった機能をもつが、それだけにとどまらず、高校以下の教育に大きな影響を及ぼす現状があると私は思う。したがって、大学入試のあり方を考えることは大きな意味を持つと思う。
本レポートでは、まずアメリカ合衆国の大学入試制度をみていくことにする。
次に、TIMSSの、日本の大学入試についての調査結果を分析することで、アメリカは日本の大学入試をどのようにとらえているのかを分析し、今度は今後の日本の大学入試改革のゆくえを、平成12年11月に提出された大学審議会「大学入試の改善について」の答申を読んでいくことでとらえ、最後に本レポートのまとめとして、これらの分析をもとにして、日本の大学入試のあり方についての私なりの考えを述べることにする。
日本の大学入試の現状とそのゆくえ
-TIMSSをもとに-
はじめに
アメリカ合衆国の大学入試の特徴
TIMSSのとらえた日本の大学入試
日本の大学入試改革のゆくえ
私が考える大学入試のあり方
おわりに
はじめに
大学入試競争の過熱化、弊害、などといわれて久しいが、一昔前そのような競争が子供達に悪影響を与えるなどの懸念や、そういった教育への疑問などから、そのような入試偏重型の教育の改善を求める声が高まった。そして、さまざまな入試改革、教育改革が行われ、入試競争を過熱化させるような教育から、教育内容の変更、精選、授業時数の削減などで、ゆとりのある教育へと方向転換をしていった。しかし、その結果今度は子供達の学力低下が問題視されるようになった。調査によれば、日本の子供達の勉強時間は他の先進諸国と比べて少ないという結果が出ている。最近では、大学に入ったものの授業についていけず、予備校で補習授業を受講する学生も増えつつある。このような教育の大きなうねりの中で、日本は教育の方向性をなかなか見出せないでいる。
今回私は大学入試をテーマとしたのだが、大学入試は、入学志願者の学力到達度を測ったり、志願者の...